「闇があるから光がある。そして闇から出てきた人こそ、一番本当に光の有難さが分るんだ。」
このことばは、27年前の2月に亡くなったプロレタリア作家、小林多喜二の書簡集の一部です。でも読んでみると、クリスチャンの心境もこのようにいえるのではないでしょうか。
私たち人間は、ちょうど暗い洞窟の中にいるコウモリのように、生まれた時から闇の中にいました。ですから光という新しい環境にはなじめません。そんな様子を聖書は次のように述べています。
「すべての人を照らすそのまことの光であるキリストが、この世界に来られた。キリストは、もともとこの世界の主として、この世界を造られたお方であるのに、この世界の人々は、キリストをそのようなお方として認めようとはしなかった。・・・ このキリストを信じる人はだれでも、救っていただくことができる。キリストを信じる人は、神が生まれ変らせてくださる・・・ 」(ヨハネ 1:9,13)
私たちは、コウモリであり続ける自由をもっています。しかし、そこが闇であると気がついたとき、少しの勇気をもって一歩洞窟から出たいと望むならば、もう外には色彩のあふれるすばらしい世界が待っているのです。そしてその時には、もうコウモリではなく、神のあふれる恵みを受け取ることのできる生まれ変った自分に気が付くのです。かつての闇の暗さを多く知っている人こそ、一番本当にこの世の光であるキリストの有難さが分るでしょう。