
神を信じる人のことば 5 – 今道友信 (1922-11-19~2012-10-13 )
今道友信 (いまみち とものぶ、1922-11-19~2012-10-13 )
日本の美学者・中世哲学研究者である。国際形而上学会会長、国際美学会終身委員兼名誉会長、国際エコエティカ学会会長。哲学美学比較研究国際センター所長。東京大学名誉教授。「愛について」「東西の哲学」などの著者
「ぼくは最初『信仰』の『仰』を除い『信』だけで考えていました。「信ずる」ということは、わたしはまかせることだと思うんです。相手から何かを期待するというよりは、自分の力で、どうにもならないことを思う悩んでもしょうがないから、生死をまかせる相手がいるなら、それにこしたことはないというような心境がございましたですね。」
「信ずるということは、だれでもしているわけで、信じる相手が目に見えない神になるのか、それとも自分になるのか、新聞や雑誌になるのか、その違いのような気がするんです。そして『仰ぐ』というと大げさになりますけど、尊敬して信ずるということも、まれにありますでしょう。人間、人事を尽くしたあと、過去や未来の運命のようなものについてはまかせる相手がいたほうが安心ですね。」...